◯委員(大井としひろ) 神戸フィッシュミール工場についてお伺いしたいんですけれども,先日の総括会議において,岡口副市長のほうから,補助金の見直しも含めて神戸フィッシュミール協同組合と協議し,話を詰めたい,そういう答弁がありましたけれども,もう少し詳しく当局としてのお考えというのをお聞きしたいんですけども。

◯山本産業振興局長 フィッシュミール工場についてですが,さきの総括質疑で岡口副市長のほうから御答弁申し上げましたが,もともと市内の水産物流通業界の卸売・小売の7団体が設立いたしました組合が事業主体となって,平成13年度より神戸フィッシュミール工場において,魚腸骨の再資源化事業を実施をしているところでございます。
 魚腸骨は,水分を多く含んでおりまして悪臭が発生いたしますために,処理に著しい支障があるものとして,再資源化施設で再生を図るとされてございます。
 一方で,魚腸骨の処理が滞ると公害問題が発生するとともに,水産物の流通に大きな影響があり,市民の生活にも多大な影響を与えるおそれがあるということで,このため,これまで水産業界が主体となって運営する神戸フィッシュミール工場での再資源化事業に対して市が補助金を出しまして,安定した処理体制の確保とリサイクル推進の役割を果たしてきたところでございます。
 この再資源化事業は,リサイクル法により市外での処理も認められておりまして,現在は,工場建設時と比べて魚腸骨の発生量も減少しており,あわせてリサイクル製品の価格も上昇しており,ほかの複数の民間工場が独自に魚腸骨の再資源化に取り組んでいる状況でございます。
 このような状況のもとで,神戸フィッシュミール工場稼働による再資源化処理事業の役割は果たされたのではないかと考えているところでございまして,この魚腸骨の再資源化については,28年度の予算に向けて,市の補助金の見直しも含めまして,再資源化のあり方について,神戸フィッシュミール協同組合の関係団体等と検討を進めていきたいと考えているところでございます。
 以上です。

◯委員(大井としひろ) 27年度の予算の見直しというようなこともおっしゃられましたけれども,ということは,このフィッシュミール工場を閉鎖していく方向で,今,進めておられるということなんですけれども,例えば,この神戸フィッシュミール工場というのは,神戸市内の魚屋さんとか魚類を扱っておられる方々の,言や魚腸骨──魚のあらというんですかね──そういうものの処理をするというような工場だと思うんです。
 最近は,ここから出た,工場でつくられた製品というか魚の餌になる──今は特に養殖業というのが結構盛んで,また生のイワシというのがペルーとか,あの辺が不漁で,なかなかそういうのも──このフィッシュミールの工場から出る,そういう製品が結構高価で,今,取引されておるということも聞いておるんですけれども。
 そういうことを考えますと,まだまだこのフィッシュミール工場には稼働率というんですか,お聞きしますと,まだ半分も行ってないようなところで稼働率というのがあるようで,これをもっと高い稼働率にすると,この売り上げというか,これももっと高く伸びていくということになると,神戸市のそういう補助金というんですかね,そういうものも入れずとも何とかやっていけるような,そんなことも考えたりもできなかったのかなあとかも思ったりもしておりまして,もう少しその辺のところというのは,協同組合の皆さん方のお考えもあるんでしょうけれども,やっぱり最後は──このあらというのは今のところ,まだ神戸市の環境局とか,そういうところで処理ができるというようなことにもなっていないようなことも聞いておりますんで,今は他府県ですか──補助いうのは広島とか,大阪とか,徳島とか──他府県の工場に物が行くということになるんですよね。果たして,それが神戸市にとって,これから長い先を見ていきますと,どうなのかということもお聞きしたいわけですよ。その辺の長期的なことも含めて,どうお考えなのか,ちょっともう1度,局長,答弁いただけます。

◯山本産業振興局長 今,おっしゃいました神戸フィッシュミール工場につきましては,処理できますのが15トンということになってございまして,製造能力いっぱいいっぱいしても,神戸市のほうから補助金を入れないと成り立たないということで計算がされてございます。
 また,この施設でございますが,19年度に実施しましたプラントとかボイラー等の大規模改修によって,リース料は年間で4,100万ぐらいありました。単純に設備を再リースすれば10分の1ぐらいの費用におさまって補助金の額も抑えられるんですが,この工場,他都市の民間工場に比べて非常に小さいと。規模が小さいということで,またポーアイ2期に立地しますため,天然ガスの使用など,環境対策が必要なことから経費がかかって,仮に1日処理上限の15トン処理いたしましても,補助金なしに採算はとれないことになっているということでございます。
 また,継続することになると,平成13年度の工場開設以来,継続して使用してきました薬品タンク等も2~3年後には大規模改修が必要になって新たな費用も発生するということもございます。設備の老朽化に伴う機械設備の更新が今後とも必要なため,多額の費用が必要となるということでございます。
 このこともございまして,先ほどの御答弁を申し上げましたが,今後のあり方について,神戸フィッシュミール協同組合の関係者団体とも協議をしていきたいというふうに考えてございます。
 以上です。

◯委員(大井としひろ) 今,魚腸骨というのが,広島とかのほうは有価で──お金を出して買っていただけるというような何かメリットがあるようなこともお聞きしておるんですけども,ただ,こういうのもいつまでもこういう有価で買っていただけるかというのは限らないわけで,そのときに,また逆に,今まで神戸の市内で魚屋さんたちの出たあらが神戸の工場で処理ができておったときには,ある程度,組合の皆さん方の組合費で,そこから処理がされておるようですけども,そういう中でやっておられるというのと,お金を出していただいて引き取ってくれるのと──買ってくれというんですか,そういうのと比べると,それは県外の業者のほうがいいのかもわかりませんけれども,今は。
 しかし,いつまでもそういう状況が続くとは限らないわけで,果たして,そのときにごみの焼却というのも,今のこの環境局の冊子を見ますと,そういうものは神戸市では受け取れませんというようなことにもなっておるようなんですけれども。その辺の先の長い目で見たときに,果たして,これを閉めてしまうのがどうなのか,そこのところの御見解をもう少しお聞かせいただけますか。

◯山本産業振興局長 今,大井委員おっしゃいました現在の魚油とか魚粉,これの現在の国際相場を勘案しますと,当面は高値で推移すると予想されております。ただ,御指摘のとおり,将来,この魚粉の相場が急落して民間のリサイクル事業が成り立たなくなることも考え得ります。こういう場合につきましては,動植物性の残渣を焼却している市内の処理施設への緊急搬入も含めまして,環境局と協議を行って,処理に支障がないように,これは努めていきたいと考えてございます。
 以上です。

◯委員(大井としひろ) もう少しお聞きしますけれども,あと例えば,突然閉鎖ということになるんですよね,これ,2~3年かけてじゃないんですよ,これ予算を打ち切るということになると。そうしますと,例えば,あの工場に働いておられる従業員の方々がどうなるんやとか,あと収集業者ということで3社ぐらいが──東部とか3つぐらいの収集業者の方々がおられるようですけれども,こういう方々の仕事がどうなるんやとか,そんなところというのは協同組合の皆さん方と神戸市は何か協議とか何かされておられるんですか。

◯山本産業振興局長 先ほど答弁しましたように,今後の再資源化について,28年度予算に向けて,その補助金の見直しも含めてということで,再資源化のあり方について神戸フィッシュミール協同組合の関係団体と検討を進めていきたいと今考えてございますが,御指摘ございましたように,例えばフィッシュミール工場の稼働が終了しましたら,魚あらの処理などといった新たな課題も生じてきますし,今働いている方の今後の処遇ということもございます。
 例えば,魚あらの処理につきましては,円滑に民間工場へ移行できるように,市としても水産関係業界に対し相談に乗りますし,その後,今働いている方の処遇につきましても,このあたりは水産関係業界と話をしながら,全体の仕組みがうまく回るように考えてまいりたいと考えております。
 以上です。

◯委員(大井としひろ) 最後にしますけれども,やっぱり今まで従事されておられた──工場で従事していただいた方々や収集業者の方々,また,そういう収集業者の方々も新たな業者のところの仕事をするということになるんだと思うんですけども,そんなときに,この収集方法が変更になったり,収集業者の方の設備とか更新費用とか,何かいろいろかかるようなこともお聞きしてるんですけども,そういうのを最終的に業者が一手にということになると,多分,立ち行かなくなってしまうと思いますので,その辺のところも含めて,フィッシュミール協同組合の皆さん方と神戸市と,そして,こういう収集業者や工場の方々が,みんながハッピーになるような形で十分協議をしていただいて話を進めていただけるようにお願いしときます。
 以上です。